夢と灯火

身辺雑記, etc. 主に気に入った音楽や漫画についての感想

2016-01-01から1年間の記事一覧

やさしい隔たり:GOING UNDER GROUNDの楽曲「ランブル」の歌詞についての覚え書き

GOING UNDER GROUNDの楽曲「ランブル」は、ヴォーカルの甘い歌声とメロディのせつなさで多くの人の心を掴んでいるけれども、はじめてこの歌を聴いたとき、わたし自身は歌詞のなかにある、ある一節にとらわれた事を覚えている。 摩天楼の光り 少し慣れた街で …

線分と時間:nano.RIPEの歌詞について

nano.RIPEの歌詞にはほとんどいつも共通したひとつのテーマがあるように思う。それはひとつの線分で結ばれた過去、現在、未来を旅するイメージだ。もっとも分かりやすいのが、おそらく、ボーカルのきみコが提供した、ミリオンライブの楽曲、「プラリネ」だろ…

あの夏の「約束」:名犬ラッシーED「少年の丘」について

「少年の丘」 世界名作劇場の名犬ラッシーのエンディングテーマ 『名犬ラッシー』は思い入れのある作品だ。小さい頃、いくつかのテレヴィシリーズをきっかけに、原作小説を読んで以来、ぼくのなかからその名前が消え去ったことはない。このテレヴィアニメシ…

紫陽花の微笑:高浜寛、フレデリック・ボワレ著『まり子パラード』感想

仏語版『まり子パラード』 あらすじ 写真を元に絵を描くフランス人の漫画家と、日本人のまり子はすでに数年来、作家とモデルという関係を続けている。『まり子パラード』は江ノ島でのふたりの淡々とした取材紀行を背景に、芸術の勉強を続けるために留学を決…

180度の孤独:パスピエの「プラスティックガール」について

最近、バンド、パスピエを聴きはじめた。ヴォーカルの声質から相対性理論との類似が言われているようだが、個人的には、その楽曲の纏う奇妙な「懐かしさ」によって、どこか無機的な印象のある相対性理論の楽曲とは一線を画しているように思う。なかでも好き…